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記事: 真珠の種類6選~ジュエリー選びに役立つ特徴を知ろう~

真珠の種類6選~ジュエリー選びに役立つ特徴を知ろう~
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真珠の種類6選~ジュエリー選びに役立つ特徴を知ろう~

実は真珠には沢山の種類があるのをご存じでしょうか?種類によって見た目の雰囲気は大きく変化します。今回はそんなパールの種類についてご紹介します。

真珠の基礎知識

意外と知らない方も多いですが、真珠は宝石の一種です。真珠を作ることができる「真珠貝」と呼ばれる貝の中で、長い時間をかけて育ちます。

現在流通している真珠のほとんどが養殖真珠です。ですが、養殖と言えど海の中で育つため偽物ではありません。人の手が入らずに育った天然の真珠は色形が不揃いで歪です。これを安定した品質で人々が手にできるようにするために養殖という手段が選ばれているのです。

■より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【ジュエリー基礎知識】真珠とは?~どうやってできるの?~

 

真珠の種類6選

ここからは真珠の種類を6つご紹介します。それぞれ輝き方やサイズに個性があります。自分にぴったりの真珠を探してみましょう。

 

- アコヤ真珠

アコヤ真珠とは、アコヤ貝という2枚貝から採れる真珠のことで、冠婚葬祭で身に着けられる代表的な真珠として古くから日本で愛されている真珠です。「和珠(わだま)」とも呼ばれ、古事記にも記載があるほど長い歴史を持っています。日本は全体の9割を占める代表的な産地で、三重県や愛媛県を中心に養殖が行われています。寒暖差のある日本の海では、美しい光沢を持つアコヤ真珠が育ちます。


アコヤ真珠は一つの貝から一つしか採れません
。またアコヤ貝は比較的小さいため、その中で育つ真珠も3~10mm程度の小さめのものが中心です。特に3mm程度のものはベビーパールとも呼ばれますが、生産量の減少によって価値が高騰しています。

アコヤ真珠の中には「花珠真珠(はなだましんじゅ)」と呼ばているものがあります。これはアコヤ真珠の中でも特に優れた評価を得たものにだけ与えられる称号です。ただし各鑑別機関が独自の評価基準で判断しているため、購入の際には実物を見るのが良いでしょう。

アコヤ真珠はオーソドックスな真珠を探している方やセレモニーにも使える真珠を探している方におすすめです。

 

- 淡水真珠

淡水パールのイメージ画像
アコヤ真珠などが海(海水)で育つのに対し、淡水真珠は湖や川(淡水)で育ちます。このことから「湖水真珠」などとも呼ばれます。淡水真珠は主にイケチョウ貝という大きな2枚貝の中で育ち、1つの貝から複数の真珠を採ることが出来るため、比較的リーズナブルに楽しむことが出来る真珠です。日本で流通しているものはほとんどが中国産ですが、日本でも琵琶湖などで養殖されます。

アコヤ真珠などのように人工核を入れずに育てることが多いため、様々なフォルムのものが生まれます。また核が無いことで真珠の内部が全て真珠由来の成分で構成されています。
淡水真珠はカラーバリエーションの豊富さも魅力の1つ。王道のホワイトからオレンジ、ピンクなどのカラフルなものまで、非常に多くのカラーが見られます。

近年では養殖技術が発達し、アコヤ真珠などに匹敵するような美しい淡水真珠も存在します。白以外の真珠にも挑戦したい、少しカジュアルに真珠を身に着けたいという方におすすめです。

 

- 白蝶(しろちょう)真珠

白蝶真珠のイメージ画像
白蝶真珠とは最大の真珠貝とされている白蝶貝(しろちょうがい)という2枚貝から採れる真珠です。南の島々で採れることから「南洋珠(なんようだま)」とも呼ばれます。暖かい海で育つため成長スピードが速く養殖期間も長いため、厚みのある大粒の真珠に育ちます。10mm以上が一般的で、大きいものは20mmほどに成長します。

白蝶貝は貝殻の内部が黄色い「イエローリップ」と銀色の「シルバーリップ」があります。真珠の色は貝の内部の色に影響されるため、イエローリップからはイエローやゴールドの真珠が、シルバーリップからはホワイトやシルバーの真珠が採れます。

白蝶真珠は様々な形が見られるのも特徴の一つ。中でも不定形のバロックパールは一つ一つの個性を楽しめる人気の高い形です。ドレスアップにぴったりな華やかな真珠を探している方や大粒の真珠がお好きな方におすすめです。

 

- 黒蝶(くろちょう)真珠

黒蝶真珠のイメージ画像
黒趙真珠とは黒蝶貝(くろちょうがい)という2枚貝から採れる真珠です。全体の90%以上をタヒチ産が占めていることから「タヒチアンパール」とも呼ばれ、日本では奄美大島や石垣島でも生産されています。

黒蝶真珠という名前ですが、実際は真っ黒ではありません。黒蝶貝は貝殻の内部に含まれる赤、緑、黄色系の色素が混ざり合うことで様々なカラーが見られ、ブラック系やグリーン系、グレ系ーやレッド系も存在します。そんな沢山のカラーの中でも孔雀の羽の様なグリーンカラーの「ピーコックグリーン」と呼ばれるものは評価が高く、高い人気があります。

かつてはとても希少性が高かったため「幻の真珠」とも呼ばれていた黒蝶真珠。しかし70年代に日本の技術援助もありタヒチでの量産が可能になったことで、現在では定番の真珠として身近な存在になりました。スタイリッシュな雰囲気の真珠が欲しいという方や、弔事で身に着ける真珠を探している方におすすめです。

 

- マベ真珠

マベ真珠のイメージ画像
マベ貝の中で育つ真珠をマベ真珠と言います。マベ貝を広げるとペンギンの羽のような形に見えることから「ペンギンパール」という別名もあります。奄美大島やフィリピンなどの比較的暖かい海の中で育ち、約10~20mmの大粒の真珠に育ちます。

マベ貝の内蔵構造が真円の真珠を作るのに不向きなため、マベ真珠はほとんどが半球状の形をしています。半球状の人工核を貝の中に入れ、半球状の真珠を作っているのです。半球状=マベ真珠と認識されていることが多いですが、マベ貝で育ったものでなければマベ真珠とは呼べません

マベ真珠はオーロラのような独自の輝きを持っています。色味はベーシックなホワイトはもちろん、ピンクからブルーまで濃淡もバリエーションに富んだ真珠です。一味違った真珠をお探しの方や大粒で高級感のある真珠が好きな方におすすめです。

 

- ケシ真珠

ケシパールのイメージ画像
一般的な真珠は貝の中に真円の人工核を入れておくことで丸い真珠を作っていますが、ケシ真珠は人工核を持たない真珠です。ケシ真珠の場合は、貝の中に入った砂や虫などの異物が人工核のような役割を果たして育ちます。
他の真珠は育った母貝(アコヤ真珠であればアコヤ貝)で分類されていますが、ケシ真珠は核の有無による分類で、どの貝で育った真珠であっても核が無いものはケシ真珠に分類されます。


「ケシ」は芥子の実のように小さいことから付けられた名前ですが、現在では大きさに関係なく無核の真珠をケシ真珠と呼んでいます。混同されがちな「バロックパール」も不定形の真珠を指しますが、こちらは核があるものを指します。

様々な形や大きさが生まれるケシ真珠。同じものは二つと無いオリジナリティあふれる真珠です。個性的な真珠が好きな方や自分だけのオリジナリティを感じる真珠が欲しい方におすすめです。

 

真珠にまつわる疑問

お気に入りの真珠は見つかったでしょうか?ここでは最後に真珠にまつわる様々な疑問を解消していきましょう。知っておくと役立つ情報を集めました。

 

- お手入れ方法は?

パールネックレスのイメージ画像
使った後に綺麗な柔らかい布で乾拭き」だけでOKです。真珠は汗や皮脂に弱いため、それらの汚れを拭き取ることが大切です。覚えておきたいのは、絶対に水は使わないこと。真珠はとてもデリケートで、水に弱いのです。綺麗にしたいからと水にさらしてしまうのはNGですので、気を付けましょう。

また保管時は高温多湿を避けるのがポイント。急激な温度や湿度の変化によってひび割れなどを起こしてしまうことがあるため、直射日光が当たらない安定した環境で保管するように注意しましょう。

 

- 本真珠とは?

真珠のイメージ画像
本真珠とは、自然環境の中で育った真珠のこと。たとえ養殖真珠であっても育てられるのは海であるため、養殖真珠も本真珠に該当します。一方プラスチックパールなどは機械を使用して人工的に作られるため、本真珠には該当しません。

日本では古くからアコヤ真珠を冠婚葬祭で身に着ける文化があったため、特にご年配の方では本真珠=アコヤ真珠と認識している方も多いです。

 

- 傷の無い真珠はないの?

真珠のイメージ画像
真珠の表面をよく見ると小さなへこみや傷、突起がある場合があります。ですがこれは不良品だからという訳ではありません。真珠は成長の過程で「えくぼ」と呼ばれる自然由来の傷が生じます。これは天然の真珠である印で、ほどんとの真珠に見られます。

 

- 貝パール、コットンパールとは?

コットンパールのイメージ画像
貝パールとはイミテーションパール(模造真珠)の一種です。本物の真珠に使用されている核に、パールエッセンスや真珠箔などの塗料を繰り返し塗り重ねていきます。本物の真珠よりも汗や皮脂に強いため、真珠をデイリーに身に着けたいという方はぜひ試してみてください。

コットンパールもイミテーションパール(模造真珠)の一種。コットン(綿)を圧縮して球体にしたものに、パール加工を施してできています。本物の真珠は身に着けるとずっしり感がありますが、コットンーパールはとても軽量で楽に着用することができます。表面にはコットン特有の繊維のしわが見られますが、この穏やかな風合いが人気の理由でもあります。

 

まとめ

それぞれの真珠の特長を知って、真珠選びに役立ててくださいね。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

この記事を書いた人

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Miyasaka

SoëL / スタッフ

新卒でジュエリー業界に入って3年目の、新米と言えなくなってきた社会人。自分自身も勉強になるような記事を目標に情報をお届けします。音楽と美術館巡りと辛い食べ物が好きです。

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