
【ジュエリー基礎知識】真珠とは?~どうやってできるの?~
真珠は日本人の冠婚葬祭に欠かせない宝石の一つです。古くは3世紀ごろの日本列島のことを記録した「魏志倭人伝」にも、真珠は日本の特産品だと記されているほど、日本を代表する宝石でもあります。今回はそんな真珠について触れ、どうやってできるのかご紹介していきます。
真珠とはどんな宝石?

- 真珠とは
真珠は、貝の体内で作られる宝石です。鉱石からなる宝石とは違い、真珠は有機物宝石です。そのため、硬度が低く傷がつきやすいです。また、酸やアルカリ性に弱いため取扱いには十分な注意が必要です。
真珠には天然と養殖がありますが、市場に流通している真珠のほとんどが養殖によるものです。天然真珠は、天然故に希少ではありますが、形や大きさ、色などすべてにおいて統一させることが難しく、流通させるには不向きです。一方で養殖真珠は、数、形、大きさ、色などが揃いやすくなっているのが特徴です。
- 真珠の歴史
真珠は3世紀ごろの日本列島のことを記した魏志倭人伝に日本の特産品として記録されていました。その頃から日本の真珠は輸出品として利用されてきました。さらにさかのぼると、鹿児島湾沿岸にある4500~3300年前の3つの貝塚からアコヤ貝とアコヤ真珠が発見されており、日本では太古より真珠が取れたことがわかっています。
海からしか取れないという希少性から、真珠は富の象徴とされ、ヨーロッパや中国などで愛されてきました。世界三大美女のクレオパトラも真珠をこよなく愛したうちのひとり。美貌と不老長寿のために真珠を酢に溶かして飲んでいたといわれています。
それまでは真珠は天然産出されたものだけを使っていましたが、乱獲による絶滅が危惧され、1893年に御木本幸吉が真珠養殖に成功してからは、養殖真珠がスタンダードになりました。これにより真珠は一般の人でも手に入れることが出来るようになりました。
真珠はどうやってできるのか
- 真珠ができるまで
真珠は、貝の体内に異物と貝殻成分を分泌する外套膜とが混入されることで形成されます。外套膜が異物を覆い、それが真珠袋となってカルシウムの結晶とタンパク質を交互に積層させていき真珠層を形成したものが真珠になります。この原理を応用し、真珠の土台となる核(球体)と外套膜の一部を人為的に貝の体内に移植して真珠を作るのが養殖真珠です。真珠ができるまで約4年ほどかかります。
- 真珠はどこで作られてるの?
真珠は、母貝の種類によってつくられている場所が違います。
主な真珠の生産地は下記のとおりです。
・アコヤ貝→アコヤ真珠:日本(三重県、愛媛県)
・白蝶貝→白蝶真珠:オーストラリア、インドネシア、フィリピン
・黒蝶貝→黒蝶真珠:タヒチ
・イケチョウ貝→淡水真珠:中国、日本(滋賀県)
真珠の価値を決める3つの要素
- 要素1:真珠の種類
真珠はどこで作られているの?でご紹介した通り、大きく4種類に分類されます。
・アコヤ真珠
・黒蝶真珠
・白蝶真珠
・淡水真珠
・その他(マベ、コンク、アワビ)
- 要素2:真珠の形状
・ラウンド
・ドロップ
・オーバル
・サークル
・バロック
・芥子
- 要素3:品質を決める6つのポイント
真珠の良し悪しをきめるポイントは6つあります。それぞれのポイントで総合的に評価して価値が決められます。
・照り
・巻き
・色
・形
・大きさ
・傷
まとめ
真珠とはどんな宝石か、ご紹介してきました。どのようにして真珠ができるかお分かりいただけたかと思います。真珠を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事を書いた人

Asano
SoëL / スタッフ
広告業を経験した後にジュエリー業界へ。ジュエリーに10年携わっている知識と経験を活かした記事を心がけます。好きな宝石は真珠とアメジスト。シンプルデザインのリングを愛用しています。
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