【白だけじゃない!】パールの色で広がるジュエリーコーディネート
昔から日本人になじみの深い宝石として親しまれているパール。色は白だけだと思っていませんか?実はパールはカラーバリエーションがとても豊富な宝石です。今回はそんなパールの色の種類についてご紹介します。
色の違いはなぜ生まれる?
真珠は貝の中で育ちます。貝の中に入った異物や人工的に入れられた核に、貝殻の内側の層である真珠層の成分が何重にも折り重なっていくことで私たちが目にする真珠の形になります。真珠層が折り重なって真珠が出来るということは、この真珠層の色が真珠の色を決定づけているのです。私たちの皮膚の色が一人ひとり違うように、真珠層の色も貝によって違います。そのため、真珠にも様々な色味があるのです。ちなみに真珠の色は貝を開けてみるまで分かりません。
■真珠についてはこちら
【ジュエリー基礎知識】真珠とは?~どうやってできるの?~
色と価値に関係はある?
パールの色と価値に関係はありません。流行や地域によって人気のカラーが異なるため、どの色は価値が高いというような絶対的な評価基準が無いのです。
ですが、同じ色の中での評価の優劣は存在します。例えばホワイト系の真珠であれば、黄色味が少なく純白に近い色の方が高評価です。
色の種類で悩んでいる場合は好みで選んでOK。ただし、同系の色で悩んでいる場合は、その色の中の価値基準をチェックしてみるのがいいかもしれません。
パールの色を作り出す2つの要素
真珠の色をよく見ると、様々な色が混ざり合っていてとても複雑に見えませんか?実は真珠の色は「実態色」と「干渉色」という2つの要素によって構成されているのです。
- 実体色
真珠そのものの色のことでボディカラーとも呼ばれます。上の画像のボールであれば白が実態色になります。真珠の色を分類する時、多くの場合この実態色を基準に考えます。
- 干渉色
真珠の表面に反射した光によって現れる色のことです。これはシャボン玉で考えるとイメージしやすいかもしれません。シャボン玉は本体は透明ですが、表面に虹色の発色が見られます。この虹色が干渉色なのです。真珠の干渉色はピンク系とグリーン系の大きく2色に分けられます。
真珠そのものの色である実態色にこの干渉色が重なることで、他にない複雑なカラーリングが生み出されているのです。
調色と無調色
真珠の色について知っておきたい知識の1つに「調色」があります。これは真珠の色味を人工的に変化させる染色処理のことです。
例えばパールのネックレスを作る時、真珠の色にばらつきがあると全体がまだらなカラーのネックレスになってしまいます。このような場合に真珠の色味を揃えるなどの目的で調色が行われます。調色は真珠そのものの美しさを引き出すためにごく僅かに色味を改良する処理であるため、決して悪いものではありません。世界的にも認められている正当な染色処理なのです。しかし調色の有無は真珠の価値を左右する重要なポイントになる場合もあります。
調色していない真珠は「ナチュラルカラー」などと呼ばれます。調色されていないということは天然の状態で美しいということ。このような真珠は真珠全体の5%程しか流通していないと言われる程希少であるため、高値で取引されます。
パールのカラーバリエーション
ここからはパールのカラーバリエーションについてご紹介します。代表的はホワイトやブラックの他にもとても沢山の種類があります。
■SoëLでもパールを使用したジュエリーを取り揃えております
【ホワイト、クリーム】
最もスタンダードなカラーで、セレモニージュエリーの王道として古くから愛されています。
日本ではアコヤ真珠が最も代表的で、その他にも白蝶真珠、淡水真珠が人気です。ホワイトカラーの白蝶真珠は、母貝となる白蝶貝の中でも真珠層の縁が白い「シルバーリップ」と呼ばれるものから採れます。
SoëL Fronty アコヤパールネックレス [K18/Pt950]
こちらはホワイトカラーのアコヤ真珠を使用したラインネックレス。よりカジュアルにお楽しみいただける淡水パールを使用した同デザインのネックレスもございます。
【ブラック】
セレモニージュエリーとして、ホワイト系に次いでポピュラーなカラーとされているブラック。黒蝶真珠が代表的で、その中でも中心が赤、円周が緑の干渉色を持つ「ピーコックグリーン」と呼ばれるものが人気です。アコヤ真珠や淡水真珠に着色をしてブラックパールに仕立てている物もあります。
【イエロー、ゴールド】
濃い発色と強い輝きが特徴で、ゴージャスな雰囲気では右に出るものはないカラー。白蝶真珠の中で、母貝となる白蝶貝の真珠層の縁が黄色い「イエローリップ」と呼ばれるものから採れるものが代表的です。
【グレー】
柔らかい色味が日本人の肌に馴染みやすく人気が高いグレーカラー。セレモニージュエリーとしてホワイト、ブラックに次ぐ人気を誇るカラーです。アコヤ真珠や黒蝶真珠、南洋真珠などに見られるカラーで、どの真珠貝から採れるかによって複雑な色味の中に個性が生まれます。
【ブルー】
グレーのパールと同様に肌になじみやすいソフトな色味が特徴で、アコヤ真珠などにみられるカラーです。ブルーパールは調色の有無によって呼び方を区別することがあり、天然のブルーカラーの真珠を「ナチュラルブルー」、調色されたものを「コバルトブルー」と呼んでいます。
【Luminous】セミバロックパールピアス [Pt900]
落ち着いたカラーが魅力のセミバロックパールピアス。パール一つひとつの色と形の個性を楽しめるアイテムです。同シリーズのネックレスとブレスレットを組み合わせれば、トータルコーディネートも楽しめます。
【ピンク】
フェミニンで女性らしい印象のピンクのパール。アコヤ真珠などで見られますが天然真珠で実態色がピンク色のものはないため、干渉色によってピンク色に見えています。そのため実態色がピンク色の場合は基本的には調色が行われています。
淡水真珠の場合、同じピンクでも青みのあるローズピンクから黄みがかったサーモンピンクまで様々な色味が見られます。
まとめ
【Luminous】コレクションアイテム一覧
様々なカラーの真珠を身に着けて、ジュエリーコーディネートをさらに楽しんでくださいね。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
この記事を書いた人
Miyasaka
SoëL / スタッフ
新卒でジュエリー業界に入って3年目の、新米と言えなくなってきた社会人。自分自身も勉強になるような記事を目標に情報をお届けします。音楽と美術館巡りと辛い食べ物が好きです。
Featured collection
Pearl Collection